Creative Cloud導入はよーーーーーく考えて
☆2013/5/7追記☆
この記事は2012年5月当時の情報です。
この件に関しては以下の記事もご覧ください
Creative Cloud がやっと検討に値するサービスになりつつあるさらに2013年5月に発表された新しいCreative Cloudについてはこちら
新しいCreative Cloudの料金体制など色々。
Adobe Creative Cloudが発売開始になりましたね。
月額5,000円で、Adobeの最新アプリが全部使えて、ネットワークストレージもついてくる。
最初の発表の時はあまりにもプランがずさんで「もっとうまくやれよ!このへたくそ!!!」とののしってしまいましたが、そのせいという訳ではないでしょうが、やはり発売キャンペーンのようなものも用意されたようで、今なら(CS3以降のユーザー限定で)月額3,000円でご利用可能のキャンペーン中。
月額3,000円というお値段、それで使い放題。あら、これ結構お得じゃない?試しにちょっと使ってみようかしら。と思った人も多いかもしれない。
しかし、ちょっとまて。
いや別にやめとけとかそういうことをいうつもりはない。
だけど、Creative Cloudを使ってみる前に、よーーーーーーく考えた方がいいと思う。
Creative Cloudのメリットデメリット
まず、Creative Cloudを使うことによるメリットを考えてみる。
- 最新バージョンがつかえる
最新バージョン、さらにアップデートとしてCreative Cloudのみで提供される機能アップなどを受けることができる。
- 全アプリが使える
IllustratorやPhotoshop、DreamweaverやPremiere Pro など、デザイン、Web、映像とAdobeのすべての製品を使うことができる。
- ライセンス販売されないアプリが使える
CS6から新しく加わったWebサイトデザインツールMuseや、Webアニメーション作成ツールのEdgeなどはCreative Cloudでしか提供されない
- ストレージサービスその他使える
Adobeが提供するストレージサービス(20GB)を利用できる。このストレージを利用してPCとタブレットの同期とかできる。
次にデメリット
- ずーーーーーーーーっとお金を払い続ける必要がある
月額制、というか、要はレンタルなのでレンタル料である月額料金を払うのをやめた瞬間使えなくなる。
それまでにいくら払っていようが関係ない。金の切れ目が縁の切れ目。
- 月額料はいつまでも5,000円とは限らない。
月額5,000円という料金はAdobeが決めるので、今年一年は5,000円だけど来年もそうだとは限らない。ないとは思うけど「今年から月1万円にしたんですわ。ほんますんまへんなー。うちとこも商売ですよってな、びた一文まかりまへんわ」的なことがあるかもしれない。逆に「いつもご利用ありがとうございます。皆様のご愛顧に感謝して、今年から月額100円で提供させていただきます」的な事が…ないな。これはない。
- 毎月ネットワークで認証しなければいけない
当然だけど、使用権限があるかどうか(毎月の使用料を払っているかどうか)チェックのために月に一回ネットワーク越しにライセンス認証を行わなければならない。ネットワーク越しに常にライセンスを監視されているわけですな。使用権が失われていたり、認証ができなかったりすると起動しなくなる。
インターネットに常時接続している環境なら自動で行われるけど、そうでない場合、ちょっとやっかい。
- 次期バージョンが出たあと、古いバージョンがどうなるのかわからない
今CS6でCreative Cloudを申し込んで2年後、CS7が出た時。いままで使っていたCS6はどうなるのか。
これはまだAdobeでもどうするのか検討中のようで、Adobeの人に質問を投げてもはっきりとした返答は返ってこない。
なので勝手に考えてみた。
考えられる3パターン。
(1)新しいバージョンが発売されたとたんに、過去バージョンが使えなくなる
まぁさすがにこれはないと思いたいけど、新しいバージョンが発売されたとたんに、強制的にアップデートがかかって最新バージョンになる。強制移行。
なんせ、ネットワークで常に監視されてるんだから、アップデートも使用停止も自由自在。
(2)新しいバージョンを起動したとたんに、過去バージョンが使えなくなる
新しいバージョンを使うまでは古いバージョンを起動できるけど、新しいバージョンを起動したとたんに古いバージョンの使用権が切れる。
これだと、古いバージョンを使いたい人は(新しいバージョンを使わなければ)いつまでも使うことができる。
もし、新しいバージョンもつかいたいとなったら…Creative Cloudをもう一本契約することになる。
つまり、古いバージョンを使う為のCreative Cloudと新しいバージョンを使う為のCreative Cloud。月額5,000円なら2本分で1万円。過去バージョンが増えれば増えるだけ、使用料が増えるわけです。うはははは、ガッポガッポですなーーーーー。
(3)いままで使っていた過去バージョンと、新しいバージョン両方使える
ユーザーとしては、これが一番望ましい。新しいバージョン(CS7)を使いつつ、それまで利用料を払ってきた古いバージョン(CS6)も使える。
でも、これAdobeの立場を考えると微妙なのだ。古いバージョンを使わせるってことは、サポートも継続するって事で、いつまでそのアプリケーションを提供するのか?は、いつまでそのアプリケーションをサポートするのか?ってことになる。
古いアプリケーションを提供するのは、サポート負荷がかかる上に、ユーザーが新しいバージョンに移行するのが遅れるので、Adobeにとってはまったくメリットがない。
サポートいらないから、提供してくれったって、提供しているというだけである程度のサポート負荷はかかる(例えば「インストールできません!」というのには提供している限りは対応しなければいけないだろう)
かといって(1)の新しいバージョンが発売されたとたんに、過去バージョンが使えなくなるってのも乱暴すぎる。さすがにこれはユーザーの反発がでかい。
Adobeとしてはできるだけユーザーには新しいバージョンに移行して欲しい。もし(2)や(3)の古いバージョンが使える、というパターンになったとしても、多分なんらかの期限で過去バージョンは使えなくするのじゃないか。
例えば、新バージョン発売から○年後には旧バージョンは起動できなくなります、とか。
○年後というのが、何年後になるのかはわからないけど、よくて2年(二世代後の新バージョン発売)悪けりゃ1年かな。
何度もいうけど、ネットワーク越しに監視されてるんだから、使用停止なんて自由自在なのだ。
…と、いろいろデメリットを考えてみた。
もちろん、これは今私が考えているだけで、もしかしたらこのどのパターンにもあてはまらない、もっと良い形のサービスになるかもしれない。
でも、現時点でははっきりしていない。決まっていないのだ。
そう、細かいところは決まってないんである。
だから、今Creative Cloudを導入しようとしている人は、よーーーーく考えたほうがいい。
「詳細不明のサービスに月々ずっと金を払い続ける契約をする」普段皆さん、そんなことしないでしょ。
もしかしたら、数年お金を払った後でやめたくなるかもしれない。それまでに何万使っていようが、やめたら手元には何も残らない。
過去バージョンが使えないかもしれない、常に最新アプリケーションに強制的に移行かもしれない。使用料や制限が変わるかもしれない。
Creative Cloudは、金の切れ目が縁の切れ目なのだ。いくら毎月貢いでいようと、決して自分のものにはなってくれない、お金だけの関係だ。「あなた、私のお金だけが目当てだったのね…!!!」ってやつだ。
そこまで理解して、それでも使ってみようと思う人は使ってみたら良いと思う。
ちなみに私だったらどうするか。
とりあえず、CS6は通常のライセンスで購入して、Creative Cloudは様子をみる。
そしてCreative Cloudを導入した人柱の皆様が散々翻弄されて、Adobeが叩かれて「ふざけんなAdobe」とか「ユーザー馬鹿にしてんのか」とかのAdobeへの呪詛の言葉が出尽くして、ちょっとひるんだAdobeがもう一度ルール見直して、細かいところが決まった後で、じっくり導入を検討したい。
繰り返すけど、私はCreative Cloudを使うなとは言ってない。
お金を払っている間はいつもキラキラの最新バージョン、新しいアプリ、新しいサービスが使い放題なのだ。いいプランだと思う。
「俺は常に最新、最先端を走りたいんだ!古いバージョンなんて必要ないぜ!金に糸目はつけねーぜ!」って人がいたら、積極的におすすめする。
なんたって、人柱は多い方がいいからね。
☆2013/5/7追記☆
この記事は2012年5月当時の情報です。
この件に関しては以下の記事もご覧ください
Creative Cloud がやっと検討に値するサービスになりつつあるさらに2013年5月に発表された新しいCreative Cloudについてはこちら
新しいCreative Cloudの料金体制など色々。