Illustratorで外字フォントをアウトラインすると、改行部分に文字がでる
事故りそうになったのでメモ。
Fontographerで作成したフォントをIllustratorCS以降で使用する際、(改行、タブ、スペースなど)グリフ(字形)を含まないテキストをアウトラインすると、ランダムに異なるコードのグリフを勝手に割り当ててしまう。
わかりやすく説明。
たとえば、Fontographerで外字フォントAを作ります。
▲なつかしのOS9環境でのスーツケースアイコン。
これをIllustratorで指定し、テキストを作成。この時、改行を含んだテキストを作成します。
▲外字フォントAをIllustratorで入力。改行つき。
このテキストに対して、アウトラインをかけると…
▲右側のテキストにだけ、アウトラインをかけてみる
あっ!改行部分に文字が!!
何もないはずの改行部分に、突然文字がでてきてしまう。
調べてみるとFontographerのサポートサイト、FAQにこの問題について載っていました。
【フォントを作成したのですが、Illustrator CS3でそのフォントを指定するとタブなどの制御コードに、入力していない文字が表示されてしまいます。さらにアウトライン化するとその文字だけでなく改行コードにも入力していない文字が出てきてしまいます。】
▲サイトからキャプチャ。どうでもいいけど『ください。だけないでしょうか。』って何。
Fontographerさん曰く、これはIllustratorのバグということらしい。
つまり、改行とかスペースとかタブとか、設定が入っていない文字を使うと、勝手に他のグリフを割り当ててしまう。
改行部分については、アウトラインかけるとグリフが割り当てられるらしい。
回避方法としては、『Spaceの文字コードに何かの設定を持たせる必要があります。ユニコード:0020のSpaceの部分に幅設定で「999」などの設定を行ってください』
スペース文字になにか設定をしてやればよいということらしい(字形を付ける必要はなくて、字幅などを設定するだけでよい)。
つまり外字フォントの作り直しということになる。
Fontographerの次期バージョンではこの問題は修正されますということなので、次期バージョンでは、はじめから何らかの値が設定される様になるのかもしれない。
ただ、うちは印刷会社で、外字フォントを作り直すといってもそれはお客様が入稿データに付けてきたもの。
勝手に作り直すわけにもいかないし、そもそも山ほど入稿されるデータの外字フォント、全部作り直すなんて大変すぎる。
なので消極的解決方法
1)データ作成の際、空白文字(改行、タブ、スペース)に外字フォントを使用しない
自分でデータを作成するなら、これでいいけど他の人が作ったデータなどを引き継ぐ場合はそうもいかない、なので
2)外字フォント使用部分はアウトラインかけない
入稿後、作業したデータを丸ごと(コマンド-aして)アウトラインかけて出力にまわす…とか、ありがちな作業なんだけど、今後NGということで。
非常に消極的対処方法なんだけど、現状それぐらいしかないみたい。
このバグ、調べてみたけどIllustratorCS1からCS5まで、どのバージョンでもでます。Illustrator v10ではでなかったので、それ以前なら大丈夫そう。
Fontographerで作った外字フォントをCS以降のIllustratorで使うという人は気をつけてね。