ちくちく日記

DTP系備忘録。真面目にやってます。

ちらしの値組数字を比較してみる。


いまさらな話題ですが、モリサワのPASSPORTアップグレードキット2009。
期待のフォント管理ツールFontKeeperは、まぁなんというか、あれなできだった訳ですが。
それはそれとして(まぁ実はそれほど期待もしてなかったしな)その他のアップデート内容について。


今回のアップデート、くいこみ数字フォントっていうのが追加されてんのね。
くいこみ数字、いわゆるチラシの値組なんかに使われる重ね数字ですな

余談だけど、この「くいこみ数字」って言い方、私は初めて聞いてひじょーーにインパクトを受けたんだけど、そういう話をしたら「昔は「くいこみ詰め」っていう指定があってちらしでよくつかわれていた」と教えていただきました。へぇー私の周りでは「重ね数字」としか聞いた事なかった。これって地域差かな、それとも年代の差?

んで、その「くいこみ数字」。

モリサワからリリースされたくいこみ数字Fontは4種類


FigAとFigBは何が違うんだろ…と思ったら、「7の形状のみが異なる」のだそうな。微妙。

「くいこみ数字」と言うだけあって、数字のくいこみ処理ができる。
opentype機能の「前後関係に依存する字形」をチェックするとこの通り。

アピアランスでふち付きにしてみるとこんな感じ。


値組用フォントといえば、FONTWORKSもLETSのおまけとして、ちらし値組用フォントがある。たしか2009年リリース。



モリサワのより遥かに書体数は多い。

なんと縦組用も用意されている。

値組用数字というおそろしく縦組で使われる事は少ないであろう文字にあえて縦組用を用意してくれるというこまやかさ。


以前このツールがリリースされた時にもレポートを書いたのだけど、FONTWORKSの値組フォントの面白いところは、値組用の専用ツール(LETS NumFactory)が用意されているところ。

LETS NumFactoryの特徴は「値組処理をした数字がアウトラインされる」

OpenTypeFontの機能だけをつかってくいこみ処理をするモリサワのくいこみ数字フォントとは違って、LETS NumFactoryはIllustrator上でオブジェクトを重ねてくいこみ処理やふち付け処理を行う。
パレットを見ればわかるように、設定はかなり細かくできる(まぁその設定の中には「重ね順の逆重ね」とか「絶対つかわんだろ…これ…」みたいな設定もあるわけだが)


処理された数字は自動的にアウトライン状態に。


アウトラインされてるんじゃ、値段のうちかえもできないじゃない!と思うなかれ。
LETS NumFactoryの面白いところは、アウトラインされた状態から、「数字の打ち変え」や「重ねスタイルの変更」が簡単に行えるとこ。


選択して、パレットからスタイルやフォントを変更できる。


モリサワ、FONTWORKSそれぞれの値組文字を比較すると、書体数やふちつけなどのバリエーションではFONTWORKSの方がバリエーションが多く必要な文字がそろう。
ただモリサワのくいこみ数字は、くいこみ処理にフォント自身の機能を利用しているから、Illustrator以外(例えばInDesign等)のアプリケーションでもくいこみ処理ができるとこはメリット。
とはいえ、ほとんどの場合、くいこみ数字が必要なのはIllustratorでのチラシ作成だろうから、どっちがいいかっていうと、やっぱりFONTWORKSのチラシ数字の方に軍配が上がるかなぁ。

ただ、LETS NumFactoryの方は、LETSのおまけソフトという位置づけなので、LETS FontACEと同じ様に更新時期になると、ライセンス要求する仕様です。

インターネットにつながっている環境なら自動的にアクティベートされるようですが、つながっていない環境だと、ある日突然、Illustrator立ち上げるとLETSのインストールキーを要求してくるようになり、そのキー入力に走り回る事になるので注意。