ちくちく日記

DTP系備忘録。真面目にやってます。

LETSの値組ツール LETS NumFactory

FONTWORKSのLETSで年1回送られてくるおまけの「Power Up Tool Kit」が送られてきました。
今年のおまけツールはIllustrator用値組プラグインLETS NumFactory」チラシなんかでよく使われる、重ね数字処理を簡単につくれるプラグイン

http://www.fontworks.com/lets/aboutlets/putk.html

これ、めっちゃ便利。

以前、モリサワセミナーに行ったときに、重ね数字の処理について「値組に重ね数字を要求されるのは西日本方面だけなんですよねー」とモリサワの方に言われたのですが、そうなの?
同じ話をフォントワークスの方にも聞いたところ「いや、北海道でも要求がありますよ」とのこと。やっぱり地方だけなのか?南と北?

ともあれ(地域差はあれど)、チラシ制作での重ね数字の需要は高い。

こういった重ね数字の処理には、Pokusフォントと専用の処理ツールを使う、というのが定番で、OS 9 + Illustrator v8の頃はそれで問題なかったのだけど、OS XIllustrator CS xに移行してからは、この専用ツールがOS X環境で動かないため使えなくなってた。
仕方ないから、重ね数字のとこだけClassic環境で作ってコピペとか、現場は苦労してたのだ…。
このツールをテストで使ってみたうちのチラシチームのメンバーは「おおー!これめっちゃいい!すごい!」と大喜びした。いままで大変だったからねぇ(涙)

このツールの面白いところは、重ね処理をかけた文字がアウトラインされるところ。
アウトラインされるんじゃ、後から文字変更できないんじゃ…と思いきや、アウトラインをかけた状態でも、数字の変更、書体の変更ができるのだ。
アウトラインされた値組の文字を選択して、値組パレットから値段変更をクリック、値段を打ちかえることによって文字が変更できる。


文字の重ね具合とか、ふち処理なんかも簡単に変更できる。
Pokusフォントのように、複数の書体を重ねて文字ふちを表現しているのではないので、数字を何回も入力する必要がない。アウトラインされたデータをみると、複数のオブジェクトが重なっているので、多分内部的には複数のフォントを重ねてそれをアウトラインするという処理が入っているのじゃないかとおもうのだけど、使う側でそれを意識することはない。

ちなみに使える書体は、LETSのPUTK2007で配布された「チラシ用数字フォント」のみ。だけど、チラシに必要そうな字形はだいたいそろっているので問題なし。

ツールとしては必要十分な機能を備えているのだけど、欠点をあげるとすれば、文字変更、スタイル適用などをいちいちパレットから操作しなければならないのが残念。これがショートカットなどが割り当てられていればもっと操作が早くなるのだけど。
もうワンステップすすんで、スクリプトでの自動処理対応もできればなおよし。
そうすれば流し込み処理で重ね文字処理までできる。
(そういえば、たけうちとおるさんのIllustrator流し込みツールは重ね文字処理もはいっていたなぁ…。あれはテキストパスを1文字1文字に切って、文字をずらして重ねていた)