DeviceNで白のオーバープリント
さぁ今日はすっごく詳しい人に教えてもらった出力系の話をかくよ!一部のひとしか喜ばない日記だよ!
喜ぶ人が一部でもいるのかどうかすらわからないけどね!
以前、マイミクの茶尾さんがDeviceNの出力について「では恐怖の「白」のオーバープリは、C0M0Y0K0ですからDeviceNで出力した場合、ケヌキになるはずです(多分)。」という日記を書いておられた。
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※友人のみ公開の日記です
つまりDeviceNの出力だと、C0M0Y0K0のオブジェクトでも「0%の色がある」と判断される。
「0%の色がある」のだから、ここにオーバープリントの属性をつけても「0%の色」があるので、白のままになる。
まぁややこしい理屈はともかく、DeviceNの出力なら、白のオーバープリントの事故はおこらないんじゃないの?ラッキー!…ということだ。
これは理論的には正しい。
が、実際にInDesignで、白のオーバープリントオブジェクトを作成し、PSを作成、処理してみると、残念、白のオーバープリントオブジェクトは「色がない」状態になって出力される
つまり、この白オーバープリントオブジェクトはDeviceCMYKでPSに記述されたということ。
では、InDesignはDeiceCMYKでPSを記述しているのかというとそうじゃない。正確には「必要なとこだけDeviceNで記述してる」
InDesignの機能の中で、DeviceNじゃないと表現できない部分のみDeviceNで記述される。例えば混合インクスゥオッチ。
ではテストしてみましょう。
テスト手順
(1)混合インクスウォッチで、プロセスCyan10%、特色0%のインクスウォッチを作成
(2)作成されたインクスウォッチを塗りに指定したオブジェクトを作成、オーバープリント属性オンに
(3)混合インクスウォッチの設定で、プロセスCyan0%、特色0%に変更
※わざわざプロセスCyan10%で作成するのは、最初から0%だとオーバープリントが指定できないから、先に指定しておいて、その後スウォッチを変更して0%にするため
これで「InDesign上で、DeviceNで記述される白のオーバープリント」が作成される。オーバープリントプレビューでみても、ばっちり白のまま。理論通り!
ためしにとなりに通常の白オブジェクトを並べてオーバープリントかけてみましょう。そちらは白オブジェクトが見えなくなるはず。
さて、ここまでが前置きの話。
InDesignではオブジェクトがそれぞれDeviceN、DeviceCMYKと使い分けて記述されるわけだけど、ではまるごと全部DeviceNとかいうデータはできないものか。(つまりまるごと全部DeviceNで記述されるなら、茶尾さんのいう「白のオーバープリントでも事故らない!」が実践できる)
じつはできる(というかやってる)アプリケーションがある。
それはQuark Xpress6.5以降。
Quarkはプリントダイアログの出力、カラー設定にそのものズバリ「DeviceN」って項目があるぐらいで、そのとおり、すべての(EPSなどの貼り込みデータはのぞく)オブジェクトがDeviceNで記述されて出力されるのだ!
だから、Quark6.5上で作ったオブジェクトは白のオーバープリントを指定していても、ちゃんと白のまま出力され事故になりません。
では、逆にQuark Xpressでは「必要なとこだけDeviceN」は指定できないのか?
これv6.5ではできないのだけど、v8ならできるのだそうな。
Quark8の出力カラーの設定で、
モード:コンポジット
モデル:CMYK
プロファイル:任意
スポットインキをプロセスへ変換:off
プリントダイアログカラーの部分で
モード:コンポジット
設定:上で作った設定を選ぶ
この状態でPSを作成すると「必要なとこのみDeviceNなPS」ができるのだそうで。
では、この状態で、Quark上のオブジェクトに白のオーバープリントを設定してみます。
理論通りなら、通常のオブジェクトはDeviceCMYKで記述されるはずなので、白が見えなくなってしまうはず。
ところが。
この設定で作ったPSでも白のオーバープリントは白のまま残ってしまうのです。理屈通りじゃない〜。
どうやら、QuarkXpress8はアプリケーション側で「白のオブジェクトにオーバープリントされてても、それは白のまま出す」っていう処理をやっちゃうみたい。白のオーバープリントなんてありえない!という安全装置がついてるようですよ。
ここまで「DeviceNなら白のオーバープリントで事故らないのでは!」という話をしてきたのに、結局「DeviceNでもDeviceCMYKでもかんけーねぇ!」って落ちがついてしまうのでした(笑)