写研ブースセミナー「ナール&ゴナ 発想と制作」
電子出版EXPOの写研ブースであっていた、ナールやゴナの制作者である中村征宏氏によるセミナーレポート。
私は写研フォントを使った事がない世代なので、あまりゴナにもナールにも思い入れはないのだけど、写研世代にはたまらないのだろうな…というセミナーでした。
まず、ナールが発売される前の日本の文字事情から
最初の書体見本帳が作られたのが1964年頃
1969年、タイポスがつくられ、紙面イメージに広がりをあたえた
1970年から、創作タイプフェイスコンテストで石井賞として書体の募集を開始
1998年まで15回実施。3000点ほどの応募があった。
フォントの開発にはその当時1書体で2年ぐらいかかっていた
この方が開発者の中村征宏氏。
ゴナなどの開発イメージの元は、中村氏の師匠である藤田氏の看板文字からきている。
ナールは中村の「な」に「まるっこい書体だから」という名前で「なーる」
それまでの文字は、ツメ組をするのに(文字間が大きく空いているので)時間がかかっていた。
縦と横が同じサイズで、ツメのいらない字をつくろうと考えた。
ナールの丸文字はTVテロップで使われていた丸文字からラフを作った
制作は、面相筆とガラス棒、溝差し、黒、白のアニメカラー(ポスターカラー)で
下書きから塗りまでの制作手順
これがナールL。ナールはLからUまでの7種で展開
ナールですべて組まれた広告
ナールは交通標識にいまでも使われている。UDフォントの先駆けでもある。
当時使われていた太ゴシックより倍近く太いものを作った
従来の書体は(ゴシック系でも)毛筆のイメージで抑揚がついている。ゴナは抑揚のない直線で構成した
太さの基準は、文字によって(字面が)埋まっている文字と空いている文字で変わる
と、いう感じのセミナーでした