ちくちく日記

DTP系備忘録。真面目にやってます。

こだわりはほどほどに。

印刷物のカラーマネージメントコントロールをやってたことがある。
最終印刷物(印刷機の色)をターゲットにして、その前のカンプ出力機を全部同じ(印刷機の)色で出力できるように、というコントロール
(あ、やってた、と過去形だと今ではやってないみたいだけど、これは私がその業務から離れたからで、今でもその部署ではカラーマネージメントをちゃんとやってます)

私がやってた業務ではかなりかなりかなり厳密に色が再現できることを目指していたので、

をかなり必死でやってた。


印刷機の色をカンプ機で再現する、と一言で書くと簡単そうだけど、これをちゃんとやろうとするとすごく手間がかかるのよ。
まず印刷機でこの色が基準ですよという基準色を決めるのが大変。
その後、その決めた色を常に安定して刷れるようにしておくのが大変。

で、印刷機が決まったあと、カンプ出力機の調整にはいるんだけど、
カンプ機(特にレーザープリンター)は、ほっとくと色がずれてしまうので、毎日出力機からカラーパッチを出力し測定してズレがないか確認。さらに定期的に(2〜3週に一度とか)メーカーさんにメンテナンスに入ってもらって、メンテナンス調整。
これは一回調整すれば終わりというものではなくて、当然ずうううううううっっっっっっとやらなければならない。
カンプ出力機は一台じゃないから、メンテナンスもその台数分必要で、さらにそこでは得意先でのリモートカンプ出力(得意先のプリンターに直接データを送ってリモートで出力する)もやってたから、遠隔地のプリンターのメンテナンスも必要。

つまり、たくさんあるカンプ出力機を印刷機の色にあわせるためには、かなりの労力が必要なのだ。
もちろん、その労力に対する見返りがあるからこそやるわけだけど(安価なレーザープリンターやインクジェットで印刷機の色がだせるなら、本機色校正やデジコン出力といった単価の高い出力物を減らす事ができ、遠隔地のプリンターで直接カンプを出力できるなら、営業が得意先を行き来する手間ひまを減らす事ができる)

それにしても(本気でこだわってやる)カラーマネージメントというのはかなり手間ひまがかかるのです。
ただ、今日いいたいのはそういう手間ひまの部分じゃない話


関係者がマニア化する

カラーマネージメントをやってると、当然出力物の色を見る機会が多くなる。
もちろん、測色機での数値チェックもやるんだけど、人の目でのチェックも外せないので、出力されたものをじっくり見つつ、色味について「これ、どう思う?」「うーん、ちょっとシアンが強い…あとシャドウ部が赤浮きしてる…」みたいな色味テイスティングのようなことをいつもいつもやる。
これは技術員だけじゃなくて、プリンターメーカーのメンテナンス担当さんとか、(色にうるさい、こだわりのある)得意先の方とか、特定の数名はテストサンプル画像による出力を何度も何度も見る事になる。

するとどうなるか。

目が肥える。

いや〜もう同じ画像を何度も何度も何度もみるからさぁ…関係者の目が肥えちゃって、ちょっとしたささいな差も見分けるようになるのよ。
そんでそのささいな差について「もうちょっと調整して…」とか「どうしてもこの辺りの色味が赤浮きするから…」とかやっちゃう。
はっっと気づくと、その差ってほとんどの人にとっては認識できないぐらいにびみょ〜〜〜〜〜〜な違いだったりするんだけど。のめり込んでやってるとそういう小さい差にこだわってしまったりして袋小路にはまったりする。

ほんとは数値ではかってその数値だけで管理できればいいんだけど、色、というか人の目って数値ででる以上の差を見分けてしまうので、目視での見比べって必須なんだよね
でも、人の目の判断にこだわりすぎると、必要以上にその部分にばかり注視してしまって、バランスが悪くなる。やり過ぎに陥ってしまう。マニア化してしまう。関係者ばかりの中で判断してるから、どんどんマニアックな高レベルのところを追求する。


なんていうか、うまい例えが見つからないんだけど…えーと例えば彼女に網タイツをはいて欲しくて「俺、網タイツすきだな、バニーガールとかかわいいよな」ぐらいなら「え、そうなんだバニーガールは無理だけど網タイツぐらいなら今度はいたげるね♡」ってなるかもだけど「バニーガールは網タイツだろ、または黒ストッキングつや有りタイプだ。どっちも立体サポートタイプ一択。足首あたりにへんなしわがよってるのは興ざめだからな。それから網タイツはバックシーム必須だ!あのラインがより足を美しく見せるんだ。バックシームのない網ストッキングなぞ話にならん!編み目のサイズはあまり大きすぎると下品だが、小さすぎると網タイツであることがわかりにくい。清楚さを失わない程度の大きさ、これが大事なんだ!」までこだわってしまうと細か過ぎでどん引きだよねって、何がいいたいのか自分でもよくわからないし何の例えだったかもわかんなくなってきたからもういいや。


まぁあれだ、こだわりもほどほどになってことだ。