出力の手引き 第14版
世の中はiPadだとかCS5だとかでにぎやかしいですが、まったく別の話題を(笑)
大日本スクリーンの「出力の手引き 14版(PDF)」がリリースされてます。
あわせて出力の手引きWebの方にも、更新情報がUPされてます。
今回はCS5への対応だったり、「PDF運用移行ガイド」が追加されてたりPDF/X-4に関する記述に手が加えられていたりというのが主な修正のようです。
従来のPS/PDF処理から最新PDF処理の違いとか、よりPDFワークフローへの移行を勧める内容という感じかなぁ。
すでに過去の出力の手引きを読み込んでいる方には、今回追加修正された部分を抜粋した「更新情報 抜粋版(PDF)」がお勧め。
▲赤字が更新部分
これ、今回の更新部分が赤文字で表示されているので、更新追加が一目瞭然。
いままでの版と見比べて「ああ、こういう風に変わったのね」「こういう記述が追加になったんだー」とわかりやすいです。
出力の手引きWebの方を見るとわかるけど、今回の出力の手引きはInDesign CS5を利用して作成されたようです。
もちろん、発売前でしたから、β版でしょう。出力メーカー自ら、出力テストをかねて作成してるんですね…チャレンジャーだな(笑)
ちなみに、いままでの第13版まではFrameMakerでの作成だったらしい。InDesignに変えたことによって、詳細目次などが追加になってます。
並べてみると誌面の見た目もちょっと変わってます。全体的にゆったりして小学校の教科書のような…易しいイメージになった。
これは本文組にヒラギノUDフォントを採用したというあたりも影響してるのかも。UDフォントって、どのフォントもなんとなく空間が広いので、誌面が読みやすい。
大日本スクリーンのTrueflowといえば、圧倒的シェアを誇るワークフローRIPですが(いや、圧倒的かどうか、詳しい数字は知らぬが、私の周りにはTrueflowしかないからという個人的主観で圧倒的)シェアが高い割には、利用者からの評判がいい…というか、ネットでの評価なんかで好意的な意見を書かれる事が多いんだよね。
普通シェアが高くなるとそれなりに敵も増えるというか、叩かれる事も増えると思うんだが、いつもはずばずば百人切り!みたいなDTP系辛口サイトなんかでもTrueflowにはいい評価をしていたり、Trueflow以外のRIPを使っている人がTrueflowがよかったみたいな意見を書いてたりする。
それはTrueflowという製品自体ががんばっているというのはもちろんだけど、それよりも大日本スクリーンがこうやってきちんと情報を広く開示しているという姿勢が好ましく受け止められているというのが大きいんじゃないかな。
出力の手引きという、以前なら門外不出のメーカーノウハウだったような、出力に関する情報をきっちりまとめて公開して(これ、簡単にいうけどまとめるの結構手間ひまかかってると思う)さらに、そこには載り切らないような情報は出力の手引きWebという専用サイトを用意してまで発信し、さらには年に数回の自社開催のトレンドセミナーで(ほんとーーにマニアックな出力の知識について)直接講義までやってしまうという…
どうみても中の人が好きでやってるんですよね?出力が大好きなんですね?!…という、そういう姿勢が好かれてるんだと思う。
普段ちくちくといろんなメーカーの突っ込み探しばかりしているわたくしとて、こういう姿勢のメーカーはいじめにくい。というか「さぁどこからでも切ってくれ!」と言われるとかえって切れない(笑)
世の中には、バグを放置したり、アップデートするとそれまで使えてたものをばっさり切り捨てたり、有料アップデートが頻繁で「お布施かよ!」と揶揄されたり、切られる隙がありまくりのメーカーもあるというのに…。
スクリーンさんにはこれからも、このままの姿勢でがんばってほしいものです。隙を見せると切っちゃいますから。