責任は作成者に
TrueFlowの出力セミナーに参加してきた。
以前にここの日記でもtrueflowの出力について書いたのだけど、これの原因というか、こうなってしまう理由というのをもっとくわしく聞くことができた。
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結局大日本スクリーンさんの言うところの「Adobeのデータの仕様だからできない」というのは正しい。
つまりInDesign等のアプリケーションは、透明効果を処理したPSを作る際に、内部でオーバープリント属性を持たせたファイルとしてPSにするらしい。
だからRIP側でオーバープリント属性を破棄するとわけわからん出力になってしまうわけだ。
私はこの問題についての日記を書いたとき「うちのように、不特定多数の作ったデータを出力しなければいけない環境ではこういった(RIP側で属性を破棄するといった予防策)処理は必須なのです。」と書いている。
でも、今日のセミナーを聞いて、そろそろ考えを変えなきゃいかんかなーと思った。
いままで、DTPの出力において、最終責任は出力側にあるとされていた。
それは出力が少なからずデバイスに依存してしまう物だったので、ある部分仕方がないという所もあったけど、それに甘えて「どんな適当なデータでもちゃんと出力してあげる」という慣習も作ってしまった。
だからうちのような製版、印刷屋は、RIPに「誰がどんなデータを作ってもちゃんと出るような」自衛策を施してきた。
K版がヌキであってもノセにするし、スポットカラーをプロセス4版に分版しなおすし、フォントがおかしければ警告して止めるし、解像度が低ければエラーでお知らせ。
でも結局それって「知識の無いデータ作成者」を大量生産してしまったんじゃないだろうか。
今後うちのRIPではCSのデータはデータ側のオーバープリントをイキで出力する事になる。
そうなると、当然ながら「ちゃんと作れてないデータはちゃんと出ない」訳で。多分、事故る。
で、その責任はだれにあるのか?
今までは「ちゃんと出せない」印刷会社が悪いとされていた。
でも山のように入稿されるファイルを1点1点設定チェックするなんて不可能だから。
「データ作成者が出力データまで責任を負って」貰わないと、とてもやってられない。
PDF/X-1aならとか、そういう問題じゃないんだよね。
PDFだってちゃんとした知識がなきゃ作れないんだから。
うちに入稿されるデータ、透明効果の設定とか、まともにできてる方が少ないぐらいだ。
内部のオペレータだって、設定をする事は知ってるけど、その理由は理解してないし。
そういう裾野のデータ作成者まで「正しいデータの作り方」の知識が広がるのは何時だろう。