マイクロソフトのIVS対応
先日、マイクロソフトで「文字コードと異体字とUnicode IVS 〜情報システムにおける日本語処理〜」というセミナーを受けてきた。
「文字符号化方式の正しい理解、文字コードの動向、そしてこれらを扱う上でどのような注意が必要なのかなど、IT 管理者、開発者に必要な基礎知識の理解を目指します。話題の IVS、IVD についてもご説明いたします。」
と、いうことで期待していったんだけど、さすがにこれだけの内容を2時間で話すというのは無理があったらしく、文字コードの概要についてダイジェストでお話、といった少々物足りない内容だった。
内容自体は物足りなくて、レポートにまとめるほどでもなかったんだけど、セミナー最後でのQ&AでマイクロソフトのIVS対応などについて触れられていたので、その部分だけメモがわりに。
・IVSを使える環境でのIMEはどうあるべきか?
IVSによって、様々な異体字へのアクセスが可能になるが、例えば「渡邊」の「邊」のように、その異体字が多量にある文字の場合、IMEでの入力が(多量の変換候補が示されることにより)煩雑になる。
これをどうやってスマートに処理するか、どのようにしたら入力しやすいかというヒューマンインターフェースの部分についてはMS内でもまだ検討中で答えのだせていない部分である
・IVSがOSで使えるようになるのはいつ頃か?
はっきりと明言はできないが、次期バージョンであるWin8では使用可能になるだろう。
・Office、SQLサーバでのIVSへの対応は
まずSQL2008ではサロゲートペアに未対応である。
年内リリース予定の次期バージョンでサロゲートペアに対応。IVSへの対応はまだ。ただし、この対応するというのをどこまでをいうのかにもよるが、IVSを含むデータをSQLサーバに入れる事は可能。(データとして保持はできるが、それを取り扱っての処理に問題がある)
Office2007、2010はIVS未対応。次期バージョンでは対応予定。現バージョンでもサロゲートペアには対応している。
IVSの対応については、次期バージョンでの対応ということで、まだまだ実際に使用できるようになるまで時間がかかりそう。
あと、IVSによって大量に扱えるようになる異体字について、入力インターフェースをどのようにもたせるか、このあたりは今後の課題。
今ある異体字変換って、InDesignの異体字パレットみたいなパレットから字形を探すパターンのものばかりなのだけど、変換候補が多すぎるとその中から目的の文字を探すのも大変になるし、間違いやすくなる。パソコンだけじゃなくて、スマートフォンみたいな小さいデバイスでも使う事を考えるとパレットでの一覧方式はあまり適してない。このあたりがどうなっていくか気になるとこだね。