ちくちく日記

DTP系備忘録。真面目にやってます。

Font Book

OS X標準のフォント管理ツール。Font Book。
以前検証して「これはちょっと使えないなー」とお蔵入りしてたんですが、最近久しぶりに使ってみて驚いた。あらっ?なんかよくなってる?!

以前のバージョンでは、管理するフォントをすべてシステムのフォントフォルダに入れてしまうという、おせっかい仕様が致命的だったんですが(Appleのツールってさ、iPhotoとかもそーだけど、こっちの整理方法とかルールとかおかまいなしに、ソフトウエアのやり方を押し付けてくるとこあるよね…)いつのまにやら、バージョンがあがって、外部のフォルダにあるフォントをそのまま管理できるようになっていた。いつ変わったのかなー気がつかなかったよ。

これがどういうメリットがあるのかというと、過去のバージョンは、同じ名前のフォントファイルを区別して管理できなかった。つまりFontBookに登録すると全部フォントフォルダに移動しちゃうから、同じ名前のフォントがあると上書きコピーされちゃってた。

でもDTP業務のフォント管理においては、同じ名前のフォントを別管理して使い分けたい、という事が多々あるのだ。
例えば、同じ名前のフォントのバージョン違いが存在する時。これは二つのフォントを別のフォルダにいれておいて、切り替えて使用したい。というかできなきゃ困る。

全部のフォントを一つのフォルダ(フォントフォルダ)で管理しようとしていた以前のバージョンは当然これができなかった訳だけど、新しいバージョンでは、外部フォルダをそのまま別のライブラリとして読み込めるので、二つのフォントを区別して使用できる。(世の中には別のフォルダのフォントを管理してると見せかけて、内部で同じフォントを使ってたりするフォント管理ツールもあったりするんだけど、FontBookはそんなことない)

うーん、唯一にして最大の欠点だった部分が解消されてたのかー。
欠点が解消されたのを改めて見直すと、FontBook、なかなかよくできてる。
派手な機能はついてないけれど、必要最低限は押さえてるっていうか。

他の多機能なフォント管理ツール(例Suitcase)が、派手で、遊びじょーずで、でもちょっと気分屋で扱いづらい都会のお嬢さんだとしたら、FontBookは地味で控えめ、でもどことなく安心できる田舎の幼なじみって感じ(笑)

あんまり控えめなもんだから、時々「おい大丈夫か?」って確認してやらないといけない。

たとえば、同じ名前のバージョン違いフォントを、同時にアクティベートしてしまおうとしたとき。

都会のお嬢さんは「ちょっと!もー、一緒にしちゃだめだって言ったじゃん!どっちか選んでよね!」って感じで騒ぐのに、FontBookは騒がない。で「おい、大丈夫か?」って覗くと「ごめんね、二つもきちゃったから、どっちにしていいか分かんなくて…でもとりあえず後から来た方を選んでおいたからっ…」って感じで、後からアクティブにされたほうをイキにしてる(笑)

都会のお嬢さんは好き嫌いが激しくて、ちょっと好みに合わない料理(フォント)をお出しするとすぐ「えー、私こーゆーの嫌いなんだよねー。なんか口にあわないってゆーかー」って感じで破損認定してくれるのに(そもそも、Suitcaseの好き嫌いは激しすぎ。なんでもかんでも破損認定。下手すりゃ認定すらせず無視(読み込まない)…)、FontBookは「あ、なんかちょっと変かも…でも、大丈夫。アクティベートもできるし、表示もできるから!」って感じで頑張ってくれる。でも、静かにがんばっちゃうから、本当に壊れたフォントがあっても多分気がつかない…。

あと、FontBookは寝起きもいい。都会のお嬢さんは「あたしってー、低血圧じゃないですかー。朝とか弱くってー」って感じで起動時の読み込みにすごい時間がかかるのに(ちなみにつきあいはじめたばかりの頃は、早起きなんだ…つきあいが長くなるとだんだん朝起きなくなる…)それに対して、FontBookはどんなにフォントを詰め込んでいても、朝はしっかり早起き。先に起きだして台所でみそ汁つくってるような(こりゃお母さんのイメージか)しっかりものだ。

うん、こうやって書いていると、FontBookってば、いいとこだらけだな。
若い頃は金のかかる都会の女に目移りしてたけど…、ふと疲れて振り返ってみると、大した事無いと思っていた田舎の幼なじみが実はいい娘だったことに気がついたような…。
「ごめんFontBook!俺目が覚めたよ!」って感じで。(でも、きっといつかまた浮気するんだな)

………なんか擬人化しすぎて、わけわからん日記になった。