ちくちく日記

DTP系備忘録。真面目にやってます。

たくさんのフォントから

1書体を選び出すというのは、難しいものだ。
FONTWORKS「LETS」やモリサワ「PASSPORT」のおかげで、使える書体というのはぐんと増えたけど、その中から「どの書体を使うか」を決めるのはなかなか大変なのだろうなぁと思う。

うちは印刷会社(の製版部門)なので、自分で「使う書体を決める」事はほとんどない。
基本的には、入稿されるデータに使われている書体に合わせて、それに対応する為のフォント環境を揃えている。

入稿されてるデータに合わせて…といっても、もちろんどんなフォントでもあるという意味ではなく、その中でもよく使われるモリサワやFONTWORKSといったフォントが中心。

もちろん「LETS」や「PASSPORT」も導入してます。なので、突然「モリサワのOpenType-Pro5のフォントで入稿したい」と言われても、大丈夫。対応できます。

まぁ「LETS」「PASSPORT」のフォントなら何でも使っていいのかというと、CIDやOCFフォントの場合は、RIPへのインストールが必要なので、全部OKという訳ではないのだけど(RIPに全部積んでおけばいいじゃないかと言われるかもしれませんが、あんまりフォントを積みすぎるとRIPに負荷がかかりすぎるのです)

でもOpenTypeなら、各マシンにインストールしておけばいい訳ですから、基本的に何を使われても大丈夫。

で、必然的に、オペレータのマシンには「LETS」と「PASSPORT」をインストールしておく事になるのだけど、そのまま全部突っ込んじゃうと、数が多すぎて大変な事になってしまうので、フォント管理ツール(Extensis Suitcase )を使って、フォントを管理してます。

あまり細かく分けすぎてしまうと、オペレータが大変なので、大雑把に「よく使うフォント」と「あまり使わないフォント」に分類。
「よく使うフォント」の方はFONTWORKSなら「クラッシック」といわれるロダンマティス、スーラ、セザンヌあたり。モリサワならリュウミン、太明、見出し明、中ゴ、新ゴ、太ゴ、見出しゴ、ゴシックMB101あたり。

普段は「よく使うフォント」を丸ごとアクティベートしておいて、それ以外のフォントがきたら個別にアクティベートで対応。

で、ここからが本題なんだけど(前置きが長いな…)

入稿されるデータの中には「LETS」「PASSPORT」で作成してますというデータもあるのだけど「よく使うフォント」以外のフォントが使われている事ってほとんどないのだ。

大方のデータが「よく使うフォント」つまり、OCF、CIDの頃から使われてきたフォントのみで作成されている。
これ、多分ほとんどは「いままで使ってきたフォント」を習慣的に選んでるんじゃないかなーと思う。
せっかくたくさんのフォントが使えるのに、なんだかもったいない話です。

でも、中にはあまりにたくさんのフォントがインストールされるものだから、いつもと同じフォントを選んだつもりで間違ったフォントを選んじゃっているデータもあったりして…

先日入稿されたデータ、横組のキャッチコピーにMatisseVPro(マティス縦組用かな)が使ってあった…(笑)

別に縦組用だからといっても横組に使っちゃいけない訳じゃないんだけど、でもあきらかに「あー普通のマティスを使うつもりで間違えたのねー」という使われ方だったのでちょっと苦笑。