ちくちく日記

DTP系備忘録。真面目にやってます。

ADPS シングルエディション

「誰でも簡単に電子書籍がつくれるツール」のはずなのにやたら使用料金やら課金が高くて、使うのは全然簡単じゃないAdobe Digital Publishing Suiteですが、どうやら簡易版のシングルエディションというのがでるらしい。


Adobe MAX2011 基調講演速報

【Adobe MAX 2011】ADPSシングルエディション発表。個人向けで1Folio $395でInDesignからiPadアプリが作れる

いままでのプロフェッショナルエディションは、年額60万からスタートという「だれがそんなに払えるんだよ!」なお値段で大勢の人にとっては「自分には関係ないわー」なツールになってしまってたのですが、これで少しは使いやすくなるのか?いやいやいや、問題はお値段、お値段ですよ奥さん!


気になるお値段。
シングルエディションは、年間金額払いのプロフェッショナルエディションと違って、1Folio(電子書籍ファイル1つ)ごとのお支払。

円相場から見ると、日本では1Folioあたり29,800円(希望)〜39,800円の間ぐらいで提供されるのではないかと予想されます。

1ファイル、三、四万円ぐらい…。

んーー、高いっちゃ高いんだけど、払えない額ではない。
印刷費に比べれば安いし、まぁありな値段かな。

業務的に考えると、年に2、3個くるかこないかわからない電子書籍の仕事の為に継続して60万払うのは無理だけど、万が一きたときに個別に払う値段がこのぐらいとすれば、払える額。個別請求しやすいし。

一覧表によると、シングルエディションでアプリが作成可能なのはiPadのみ。Android /BlackBerry向けで行う場合にはプロフェッショナルエディションが必要です。

え?Android不可?
っていうか、まだプロフェッショナル版もAndroid対応はしてないんだけど。プロフェッショナル版はAndroid対応ずみだけど、シングルエディションだとだめって事?

また作成可能なFolioはシングルフォリオのみ(追加ダウンロードや追加購入機能がないフォリオ)アプリ販売の解析機能がない。などの機能制限があります。


プロフェッショナル版との機能比較一覧はこちら

うーん…。

解析機能はまぁ、なくてもしかたないかな。プロフェッショナル版のお値段は主にあのサービスに対してのものだと思うし。
シングルフォリオのみってのは、つまりシリーズとして追加購入可能なフォリオ(マルチフォリオ)にしたければ、プロフェッショナルで年間60万円払うしかないわけだ。
Android対応はプロフェッショナルしかないってのは、本気だろうか?一覧表をみると、確かにAndroid対応の部分、シングルエディションはなしになってるなー…。


び、微妙…


特に微妙なのが「Android不可」ってとこ。
ちょっと試しに使ってみる程度なら、iPadのみでもいいだろうけど、業務利用にしようと思うとAndroidなしってわけにはいかんだろ。
でも逆に考えると、これがAndroidもOKだったら、ほんとにプロフェッショナル版を購入する人って少なくなるだろうね。例えばチラシや通販カタログみたいな、使い捨ての電子書籍ならマルチフォリオにしなくったっていいし。でもそれじゃAdobeは困る訳だ。

だからAdobeにとってはシングルエディションってあくまでプロフェッショナル版を買ってもらうための、お試し版なんだと思う。


売りたいのはプロフェッショナル版なんだけど、それだけだとそもそも使ってくれる人も少ないから、まずお試し版でシングルエディションを使ってもらって、でもこれはすぐに機能制限の壁にぶち当たるので「高機能版をご利用ください!」

商売だから仕方ないのだろうけど。


でも、そんなことやってるうちに「Folio?そんなの使うよりEPUB3(とかWebアプリとかいろいろ)でいいじゃん!」って事にならないといいけどね!