ちくちく日記

DTP系備忘録。真面目にやってます。

Adobe PrePress Seminar

発表されたばかりのCS2が見られるということで、これは見逃せないでしょうとセミナーに参加してきた。(自分用備忘録もかねてレポート)
まずは製品セミナー。今回のアップデートは、派手な新機能がつきました!というよりは、CS製品の全体のスムーズな連携や細かな使いやすさの向上などに重点がおかれているよう。
◆Bridge
各アプリケーションの中継をするものとして、Bridgeが用意されている。
これは、Photoshopについてたファイルブラウザとしての機能にカラー管理環境の同期や作業環境の保存などのファイルの管理機能をつけたもの(かな?)
イメージとしては、スタートポータル画面としてBridgeを利用し、各ファイルのやり取りなどをここから行う。
ファイルプレビューもさらに進化して、PDFファイルのページをめくったり、RAWデータのプレビューや一括現像処理が可能。イラストレータの詳細なプレビューも表示できる。

◆Stock Photo。
複数のプロバイダから、ロイヤリティフリーの画像をダウンロードできる。
うーんうちの環境ではあまり利用しないかな…。デザイナーさんなどはうれしいのかも。

Photoshop
インターフェース等にはまったく変化なし。
今回目玉の新機能はVanishing Point。画面上にパースガイドを作成し、それに合わせて面の角度を自動調整した合成画像を作成できる。ブレンド効果を選ぶことによって、明度や色を自動調整してくれるので、簡単な手順で自然な仕上がり。
スタジオでとった室内セットに家具を合成するといった仕事なんかで重宝しそうだなー。(えらい具体的なのはそういう仕事があるからです…)あれは結構微妙な角度を合わせるのに苦労するのだ。
かなり派手なデモをしていたのに、会場からあまり反応なくて、デモストレーターの方が寂しそうだった…すんません。福岡人はシャイなんで…。

スマートオブジェクト
レイヤーに対して、スマートオブジェクト属性を設定すると、そのレイヤーにほかの画像ファイルをリンクして配置できるようになる。これにより、画像を縮小/拡大しても品質の劣化を防ぐことができる

スポット修正ブラシ
従来あった修正ツールがさらに進化
選択した中と外の差を分析し修正を行う。デモでは道に立つおじさんを簡単に消したりしてました。
画像の合成、修正に大活躍しそう。うちのような仕事ではこのツールはかなり便利。

◆Illustarator
ライブトレース
以前ストリームラインという、ビットマップ画像から、ベクトルパスを生成するソフトがあったが、その機能をさらに進化させたものが搭載
トレースの設定を変えることにより、ニュアンスの違う変換が行える。
写真などを非常に精密に(写真とかわらないほどの)パスに変換できるので、サイズの小さい画像をパスに変換→拡大したのち、ラスタライズするといった利用法もあり。
細かい複雑なパスということで、出力時にエラーになるのではないかと不安に感じたが、最近はRIPの性能もいいので、大量のパスでも大丈夫ですとのこと。そういわれてもやっぱりちょっと不安。このあたりは、自社のRIPで要検証だな。

ライプペイント
オブジェクトの重なり部分をライブにペイント。パスファインダで分割などを行わなくても、重なり部分の色を変えることができる。
また、ライブトレースをした画像に対してパスの隙間を埋める、隙間オプションが用意されている
なんとなく、漫画やイラストの下絵をトレースして絵を書く人が喜びそうな機能。

◆SING
今回の発表の中で一番すげえ!と思ったのはこれ。
SING外字ソリューションについては、以前からプレビューという形で公開されていたけれど、外字を作成できるのはメーカーのみでユーザが外字を作成する手段は用意されてなかったので、利用できる外字に限りがあって、今ひとつ利用しづらかった。
CS2ではSINGが標準搭載!で、SINGで利用できる外字(グリフレット)をIllustratorで作成することができる!ブラボー!
手順としては、Illustratorの書式メニューからグリフレット→新規グリフレット→親文字を選び→縦横を選択→Illustratorの文字用ドキュメントにグリフを作成→メタ情報を追加→グリフレットを保存。
作成された".gai"ファイルをグリフレットマネージャーに読む込むことで、InDesignなどの字形パレットに作成した文字が表示されるようになる。
作成したグリフレットに読みやユニコード、作成者コードなどのメタ情報を追加できるので、ドキュメント上から検索→一括置換なんてのも可能。
ドキュメント上で使用されたグリフレットは、グリフ情報をドキュメント上に埋め込む形になるので、ほかの環境で開いても、文字は保持される。
ユーザーが作る外字以外にも、各フォントメーカーさんからSING対応外字が発売される予定とのこと。さらにエルゴソフトさんのように、入力からSINGに対応するという動きもあり。楽しみ。
OS X環境になって、OpenTypeになってもやっぱり外字は必要。で、今後その外字をどうやって作ろうか悩んでいたんだけど(いままではFontographerを利用してたんだけど、どうもOS Xには対応しなさそうだし…)SINGなら使い慣れたツールで外字を作れるし、管理も簡単そう。

◆透明の手引き、出力の手引き
毎度おなじみ手引きもバージョンアップされたものが配布されました。発売前の製品に対して、こんなに詳細なマニュアルを配布するのは稀だとのこと。いつもほんとに詳しく解説してあって、ありがたいです。

◆PDF/Xを使った出力セミナー
TrueFlowを発売している大日本スクリーンから、PDF/Xの出力についてのセミナー。
まさにうちはTrueFlowを使ってるので、このセミナーはひじょーに興味があったのだが、ちょっと早口な説明で色々と聞き逃してしまった気がする(メモしてるうちにどんどん次の話にいっちゃうんだもん…)
ただ、PDFの出力によって、いろいろと「ややこしすぎる!」状況だというのには同意。
PDF/Xだからって、何でもちゃんと出力できるわけじゃないのよ…。

◆その他
Yさんのデモは今回もよかった。芸が冴えてました。